Shiinominegama

佐賀県・唐津焼(陶器)

土と手仕事を重視し、多彩な表現をもつ唐津焼。茶の湯の世界では「一楽、二萩、三唐津」と呼ばれるように、茶陶器の名品三指として愛されてきました。起源は諸説あるものの、発祥はなんと室町時代。その後、華麗な文化が花咲く桃山時代に行われた豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、連れ帰った朝鮮陶工の力で全国へ発展しました。多彩な釉薬、筆による描画、蹴り轆轤(ろくろ)での成形や登窯(のぼりがま)での焼成は、どれも日本初の技術だったそう。

現在唐津市に点在する約70の窯元には大きな会社は一軒もなく、自ら土作りから焼成まで手掛ける小規模の窯元が中心です。日々それぞれの感性と技術と磨き合いながら、切磋琢磨しています。

なかでも椎ノ峯窯は、1615年に唐津藩の藩窯と定められた歴史を持つ、名実ともに地域を代表する窯元のひとつ。唐津焼のすべての技法を取り入れながらも、洗練された佇まいを見せる「献上唐津」は必見です。当主の中里裕一郎さんが今回取り組んだのは、唐津焼を代表する斑唐津(まだらからつ)。多くの茶人に愛されてきた、自然と偶然が生む「景色」をこの機会に身近に感じてください。